2016年6月26日日曜日

漂流線  





「梅雨は降り梅雨は晴るるといふことを」(後藤夜半) 
きょうは、しっかりと、晴れています。暑い日。 ひさしぶりの洗濯ものが、よく乾いて、こころまでカラリと乾いてゆく気がします。

西荻窪のギャラリーみずのそらで、「漂流線」というグループ展を開催します。
同じメンバーで、4回目となる今回の展示。前回のグループ展「蒐集記」(2013年11月)が終わって、搬出後すぐに、オーナーの小峰恵子さんから次回の開催を提案され、そのあいだに小峰さんは、突然いってしまわれましたが、このたび、また同じメンバーで開催できることを、とてもありがたく思っています。
詳細は、以下です。

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「漂流線」


日時:2016年7月16日(土)〜7月24日(日)
13:00〜20:00(18日〜17:30、最終日 〜18:00) 19日(火)休  

「水の手紙/空の余白」「机上の灯台」「蒐集記」につづくブックアート/銅版画/木版画/冊子/短歌 etc. +活版印刷の作品展

東京音杉並区西荻北5-25-2 tel/fax 03-3390-7590
(西荻窪駅から徒歩約10分)

◉ライブ「漂ふ鳥・迷ふ鳥」
 《出演》短歌:石川美南(山羊の木)  音:津田貴司
 《日時》7月18日(月・祝)受付17:30〜、開演18:00〜
 《入場料》1500円 

◉7月23日(土)、24日(日)
赤井都による「漂流線」を作るワークショップ開催
《参加費》3000円 予約不要・随時受付

◉期間中、カフェにてあゆみ食堂の特製かき氷をご用意しております(数量限定)

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小峰さんには、三鷹でひとり暮らすようになってから、なにかと誘っていただいたりして、たのしい、あたたかな時間を、たくさんくださったものだなあと、思い出しています。前回の展示の打ち上げでは、参加者たちが持ち芸(というかなんというか)を披露し、みんなでお腹が痛くなるほど笑いました。うつくしいものとおもしろいことが大好きで、人にも物にも愛情をおしむことなく注がれた、小峰さんでした。

「漂流線」のために、ヒロイヨミ社は、『漂流箋』をつくっています。
誰かにあてた手紙のようであり、宛先を持たずに漂っているようでもある言葉をあつめた、冊子です。なんとなく、曇りの日の、海のしずかなつぶやきのような、(本)になりそうです。

ひとり暮らしからふたり暮らしになり、一年がたち、だんだん、おちついてきました。ひさしぶりに活字を組んで、自分で印刷するつもりです。どうなるのでしょう。とりあえず、活字を整理して、試し刷りして、植物由来のインキ洗浄剤をしらべてみました。食べる部屋も、寝る部屋も、刷る部屋も、同じになったので、ちょっと、気をつかいます。ひとりのときは、部屋が狭すぎて、印刷機は預けた(置いてきた)ままになっていました。




DMが刷り上がり、まだあまり配布したり送ったりできていませんが、これからがんばります。
ひとまず、三鷹の古本屋・水中書店(夫がやっています)に置いてあります。わたしもときどき、お店番していますので、どうぞお近くにお越しの際は、寄ってみてください。いい本がたくさんあります。(ヒロイヨミ社の本は置いてません)

DMデザインはわたしが担当し、写真は山羊の木の橋目侑季さんが撮ってくださいました。

どうぞよろしくお願いします。
暑い時期だと思いますが、かき氷もありますし、足をお運びいただけたら、うれしいです。


追伸 西日とのたたかいになりそうです

2016年6月9日木曜日

ソラでよんだ言葉






ライトグレーの、梅雨の空。ときおり電車の音がするほかは、鳥のさえずりばかりが響く、しずかな午後です。

美肌室ソラでの「読書サロン」、最終回もぶじに終了しました。
ご一緒したみなさま、企画してくださった信子さん、こころから、ありがとうございました。

慣れないことばかりで、あたふたするうちに、なんだか自分が更新されたようです。言葉をめぐって、これからも、人と言葉を交わしていこうと思います。そして、読むこと、作ることを通して、いっそう深く本の世界をさぐっていけたらと。

以下に、よんだ作品のタイトルをあげておきます。
ひとつひとつの言葉に、ひとりひとりの声や記憶がしみついて、なつかしい感じがします。きっといつまでも、そのように感じることに、なりそうです。

またどこかで、お目にかかれますように。


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・中原中也「湖上」  
・樋口一葉「月の夜」
・北原白秋「月光の谿」
・宮沢賢治「かしわばやしの夜」(抄)
・井伏鱒二「逸題」
・李白「月下独酌(其一)」
・歌 西行
・俳句 幸田露伴、松尾芭蕉

・三好達治「雪」
・津村信夫「雪球(スノウボール)」
・宮沢賢治「作品第一〇〇四番」(『春と修羅 三』)
・岸田衿子「雪の絵本」
・吉田一穂「雪」
・中原中也「生ひ立ちの歌」
・歌 北原白秋
・俳句 野澤節子

・山村暮鳥「風景  純銀もざいく」
・辻征夫「わたしは沈丁花が」
・川崎洋「たんぽぽ」
・征矢泰子「チューリップ」
・三井葉子「さくら」
・歌 与謝野晶子、堂園昌彦
・俳句 河東碧梧桐、三橋鷹女、柴田白葉女、星野立子

・尾形亀之助「雨 雨」
・吉野弘「日本の六月」
・山之口貘「雨と床屋」
・串田孫一『雲花雨雪樹鳥海夜』より 雨の言葉
・新川和江「傘をさして……」
・小池昌代「晴れ間」
・歌 若山牧水
・俳句 日野草城、永田耕衣、飯田龍太

・多田智満子「天領」
・岸田衿子「木の影」
・石垣りん「行く」
・江代充「幹をつたって」
・谷川俊太郎「き」
・高見順「深夜の樹木」
・俳句 阿部完市、津沢マサ子 

・永瀬清子「金星」
・山村暮鳥「夜景」
・多田智満子「星の戯れ」
・玉置保巳「星」
・伊東静雄「夜の葦」
・岸田衿子「星はこれいじょう」
・室生犀星「星」
・歌 与謝野晶子
・俳句 松尾芭蕉、山口誓子、今井聖

・三好達治「春の岬」
・中勘助「ほほじろの声」
・大岡信「ライフ・ストーリー」
・蜂飼耳「鳥のかたちに似ている日」
・村野四郎「鳥の巣」
・貞久秀紀「上下ちりぢりの鳩」
・歌 若山牧水、小原奈実
・俳句 小林一茶、正岡子規、日野草城

・山之口貘「天」
・谷川俊太郎「かなしみ」
・三好達治「Enfance finie」
・原民喜「部屋」
・飯島耕一「矩形という限定」
・大岡信「双眸」
・R.ブラウニング(上田敏訳)「春の朝」
・歌 式子内親王
・俳句 与謝蕪村、恩田侑布子



追伸 空の下でのピクニックごはん、たのしくて美味しかったです