2016年5月20日金曜日

空をよむ




このところは「うた」と「古典」に、少しずつだけれど、ひかれているみたいで、竹西寛子さんの本をよく手にとります。『詞華断章』(岩波現代文庫)をよんでいたら、どうして「うた」にひかれるのか、納得して、その語句のひとつひとつに、深くうなずきたくなる言葉がありました。

 「うた」はいい。
 すぐれた「うた」は、調べに添うだけで快い。
 自分の生きている今の瞬間が、粗末ではあっても決して無意味ではなく、未知と既知の間で漂っている心と軀が、目には見えぬ巨きな何かのあらわれとして、まるごとすくい上げられるような安堵と、何かに連れ出されるようにして、ひめやかにではあっても生き続けるよろこびをいとおしむ。

ヒロイヨミ社なので(というわけでもないけれど)、まだぜんぶよんでいないのに、あとがきをよんでしまいました。

こうして、今日も、なにか漠然とした、不安とよろこびの海を漂うようにここにいて、せめて何かにつかまろうとして、つかまえてほしくて、やみくもに、本をよんでいます。

さて、月、雪、花、雨、木、星、鳥、とつづいてきた美肌室ソラでの「読書サロン」、6月8日(水)の最終回は、「空」です。

言葉に目を凝らし、耳をすまし、心を静かにして、自由に、感じたことを話すこと。読むことのよろこびは、自分の奥にはいっていく、ひそやかさだけでなく、自分をひらいて、人とまじわっていくことでもありました。

くわしくは、こちらをどうぞ。
粒粒さんのごはん、ハチマクラさんの紙、SUNNY BOY BOOKSの本も、どうぞおたのしみになさってください。

とりとめのない読書に、ときどき道をつけてくださったこと、貴重な機会をいただいたことに、感謝しつつ。
つたない話や進行に、つきあってくださったみなさん、ありがとうございます。

最後まで、どうぞよろしくお願いいたします。


追伸 『ひそひそ星』をみて、ひっそりしました