2011年4月4日月曜日

ある日のメモから





名古屋のON READINGでananas pressの展示会「by hand」開催中です。

搬入もすべてakieさんにおまかせ(ありがとう)だったので、わたしはまだどんな様子かわからないのですが、すてきな感じになっているようで、見にいくのがたのしみです。コラージュのキャプションも、いい感じでは。名古屋近辺在住のかた、名古屋に行く予定の方、ぜひよろしくお願いします。


福岡県大牟田市の喫茶ぱれっと(大牟田市宮崎3002-1 電話0944-58-1686)で、森岡書店「冬の木」展でのパートナー、森雅代さんによる銅版画と水彩画の展示「樹と花」開催中です。冊子『冬の木』も販売しています。〜4月30日(土)、10時〜18時、水曜休。お近くの方がいらしたら、ぜひ足をお運びください。


イラストレーターのみやしたゆみさんと冊子を作っています。『yohaku to hibi to』といいます。第一号のテーマは、「ハル、ウララカ」。まもなくできあがりますので、取扱店など決まりましたら、またこちらでお知らせします。


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ファイルにたまった書類とかチラシの整理をしていたら、あの日のスケジュールを書いたメモがはらりと出てきました。3/11(金)、朝7時40分に家を出て御成門の慈恵医大へ、MRIを撮って診察を受けたら都営三田線に乗って有楽町まで。ビックカメラでフォントを買って、それから銀座まで歩いてgggで立花文穂さんの、松屋で白井敬尚さんの展示を見て、蔵前のアノニマスタジオへ。イイダ傘店の日傘展を見たあとは大江戸線に乗って新宿の朗文堂に行き、締めくくりは表参道で「本の島」の打ちあわせ、という、もりだくさんな一日。

蔵前にいたのが3時前だったので、当然、それ以降の予定は、遂行できませんでした。ただの走り書きのメモにすぎないのに、捨てられません。すべてが変わってしまった日。もう3週間以上たつのに、まだそのことに慣れず、不安定になりがちな感情と折り合いもついていなくて、ひとつになろう、とかいうCMを見ると、ただ喉のあたりが苦しくなります。わたしはわたしで、祈り、考え、行動できたら、と思います。少しずつでも、時間をかけて。


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最近の拾い読みから。

 

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たとえばふとした街角の光景や、たわいない日常や、自然の移りゆきのただ中に、私たちは死んでしまった人のいのちの存在をありありと見いだすのだ。彼らは言葉を発しないけれども、この世から消え去ったわけではない。


森岡正博(「朝日新聞」2011年3月28日夕刊)


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I edited 〔the〕book with her in mind,as if she were standing behind me,saying what she would like to see in it.


Annie Leibovitz(Museum of Contemporary Art,Sydney「Annie Leibovitz : a Photographer's Life 1990-2005」*she=Susan Sontag)


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(陸のくにを発っていこう)  稲川方人



生マレイデタ土地ヲ持チ、

失ウタメノ血族ヲ持チ、

別れよう!


のぼるがいいか

くだるがいいか

土地の名を消し

人の名を消し

かずかぎりある

かなしみの実がいたまぬうちに

かずかぎりある

月日の満干があせぬうちに

別れよう

別れるための言葉を言って

すえながく、

すえながく永劫に

陸のくにの

なれの果てを

発っていこう


きょう、傷ついた腹膜のような

生涯の途中

生きるのにあてなく

けれどもなお、

けれどもなお、

われらを生かしめる者は

何処をさまよっているか


(『稲川方人詩集』現代詩文庫・思潮社 所収)




追伸 活版凸凹フェスタが中止になって寂しい!

と大声を出したら、じゃあおれを押していいよ!と