2010年8月30日月曜日

テーブルの独言





ふとテーブルを見たら、ことばが散らばっていました。新聞や雑誌などから切り抜かれたものです。同居人が脅迫状でもつくっていたんでしょうか。さっそく『水の空』みたいに、あれこれやってみました。

……できました。


おやっ世界 いえ言葉


装苑」の「Good Book」のコーナーで、ananas pressを紹介していただきました。インタビューと写真はユトレヒトの江口さん。どうもありがとうございました。新しい本『Scribble』の取り扱い店などは、決まりしだいHPでもお知らせしますので、またよろしくお願いいたします。 


ananas pressの表立った活動はしばらくありませんが、山口信博さんの展覧会で都筑さんが作った箱が見られます! くわしくはこちらに。わたしは、知らない製本家の作品として、こころ平らかに見てみたい気持ちなので、本人がいないときを狙って(?)こっそり行くつもりでいます。

山口さんのこれまでのお仕事がまとまって見られるのもとても楽しみ、10年前、表紙のデザインにハッとさせられ、なかば興奮しつつ購入した「SD」の北園克衛特集は、ずっと大切な一冊ですから。



追伸 絵ごころがないのに絵はがき部員になりました…

2010年8月24日火曜日

石の時間





鉱物Barへいってきました。 


企画されたフジイキョウコさんの、鉱物への愛と情熱とアソビゴコロの結晶ともいえる展示空間と、うつくしい「標本箱」の数々。これまで鉱物に興味を持ったことなどまるでなかったのに、不思議の国に迷いこんで魔法にかけられてしまったみたいに、帰ってからも鉱物のことがあたまから離れず、とりあえずなにか石に関する文章を拾い読みしよう、と澁澤龍彦「石の夢」(『胡桃の中の世界』河出文庫)をむさぼり読む。そのなかで「長崎の魚石」という古い話のことを知り、本棚から『日本の昔話』(柳田国男著・新潮文庫)を見つけ出して読み、さらにふと思い出して蜂飼耳さんの『空を引き寄せる石』(白水社)を。飛石をひょいひょい伝い歩くように本から本へ移っていって、そこでまたさまざまな石を知りました。突如「有り難い石」に変身させられた石、見出されて愛される石、いつしか表裏を与えられてしまった石。……


「硬い時間を重ねていく。そのことに引かれる。何十年、何百年後、一度は文鎮だった石たちが河原や野原に転がり、陽を浴びているところを想像するのは心愉しい。」(「空を引き寄せる石」)


重なっていく「硬い時間」を想像してみる。まだ人がいない過去のこと、人がいなくなった未来のこと、そして、そこにある(あった)はずの石のこと。そんなことを思いながらあかりを消して、でもしばらくは眠れませんでした。あたまの中のひっそりとした世界とは裏腹に、ツヅレサセコオロギの夜の音楽がにぎやかすぎたせいだと思います。


写真右は長沢暁さんの作品に螢石、左は昔のゼリー型に巻貝化石。いずれも鉱物Barで購入しました。



追伸 山から島が見えました。鳥海山にて

2010年8月12日木曜日

ちゃらっぽけ





出久根達郎さんの新刊『新懐旧国語辞典』(河出書房新社刊)のデザインをしました。装画は羅久井ハナさん。どうもありがとうございました!



帯の背には、「ちゃらっぽけ」とあります。ちゃらっぽけ、ちゃらっぽけ……と唱えていたら、なぜだかトニー谷の顔がふあーんと浮かんできました。いまにもざんすざんすと歌い出しそう……。一度耳にしたら忘れられない、おもしろい響きのことばです。と思っていたら、つい先日、幸田文さんの随筆を読んでいてこのことばにゆきあたり、あっといいそうになりました。最近こういうことがやたらと多いです。「ちゃらっぽけ」、意味を知りたいかたは、ぜひ本書をお読みいただけたら。



追伸 おとなりから、まいにち花笠音頭が聞こえてきます

2010年8月3日火曜日

ananas press website





ananas pressのウェブサイトができました!

手書き文字は主にaが担当しております。どうぞよろしくお願いします。

 

THE TOKYO ART BOOK FAIR 2010、あっという間に(というか、始まりました、という間もなく)終了しました。たくさんの人たちに作った本を見てもらえて、話したり笑ったり、とても刺激的でおもしろい3日間でした。どうもありがとうございました!

写真はキャプションを書くanna gleesonさんです。


新しい本、『Scribble』のことは、またあらためて。

追伸 アナちゃん香港に帰りました エチエンヌのためにVironのバゲットとクロワッサンを買って