2010年5月17日月曜日

本の島にて





活版凸凹フェスタ、たくさんの方々にお越しいただき、ありがとうございました。

場所が変わったりフレッシュな参加メンバーが多かったりしたせいか、いつもとすこし雰囲気がちがい、わたし自身は三度目の参加ではあるのですが、第一回の時のドキドキ感を思い出したりもしました。あの時は、自分が作ったものを人に見られるというのもほとんど初めての経験で、会場に立っていると恥ずかしい、いたたまれないような気がしていたものですが、今ではすっかり面の皮が厚くなったといいますか、そういった気持ちはいつのまにやら薄れゆき、なんならもっとじっくり見てほしいような気がしなくもない……こともないです。?。ともあれ、活版フェスタという場所は、自分にとって原点のようなものであり、活版印刷を通じて、たくさんの(なんだかとても興味ぶかい)方々と会えることが、うれしたのしいです。

みなさま、ほんとうに、ありがとうございました。また来年も、どうぞよろしくお願いいたします。


昨日、青山ブックセンターで、「本の島」トークイベントがありました。昨年亡くなられた編集者・津田新吾さんが始めるはずだった出版活動としての「本の島」を引き継ぐプロジェクトです。

お話しされたのは、管啓次郎さん、野崎歓さん、鄭暎惠さん。どの方のお話も、津田さんの仕事、さらには「本」そのものへの愛と信頼に満ちみちていました。それから、あまりにも編集者として情熱的でありすぎたがゆえのキュートきわまりないエピソードの数々に、何度も笑い転げながらも、こんなにも愛された津田さんがここにいない、という事実をあらためて実感して、悲しくなったりもしました。

会場では、津田さんが編集した本のリストと、その中から選んだ「私の(と)3冊」アンケートをまとめた冊子『本の島へ』(制作・デザイン/BEKA)も配られました(写真)。これがまた、あっと驚く楽しい仕掛けがいっぱいの本です。メラメラしました。なんて。アンケートには、わたしも及ばずながら答えさせてもらいました。

「本があるがぎり本とともに生きてきた誰かがページの重なりから本当に離れてしまうことなどない」、管啓次郎さんのアンケートの文章から。これからも、津田さんの作った本が、本を書く人、作る人、読む人を励まし、その行く手をあかるく照らし出すであろうことを思うたび、自分の中に、確かに熱い固まりのようなものが生まれることを感じます。この熱を、自分の仕事につなげていこう、いかなければ、と強く思っています。


第二回「本の島」トークイベントは、6月19日(土)、お話しされるのは、堀江敏幸さん、前田英樹さん、冨原眞弓さん。ぜひぜひ、お越しください。会場で(おそらくは受付で)お待ちしています。


また、青山ブックセンター本店内の「本の島」の本棚も、ますます輝きを増して、この島を訪れる人を誘惑しつづけているようです。追悼文集『オマージュ津田新吾』も見られます。カバーの吉増剛造さんによる題字は活版印刷で、三軒茶屋の小さな印刷所で刷ってもらったのですが、あれはなんだか寅さんの世界に迷い込んだみたいな、とても楽しい体験でした。津田さんとも気が合いそうなチャーミングなご夫婦だったなあ……。


追伸 いのくまさん、よかったです! 猫がもう。

2010年5月3日月曜日

はじまりました





活版凸凹フェスタ2010、はじまりました!
5日までです。どうぞよろしくお願いいたします。

追伸 短くてすみません