2010年12月28日火曜日

サヨナラ ネコドシ





今年も残りわずか。あれもこれもそれもなにもかもやってないけど、まあいいか……という心境になってきました。


振りかえれば、今年もたくさんの人と知りあったり仲良くなったり話したり笑ったり飲んだり歌ったり踊ったり(バンド活動です)、ちょっとしんどいこともありましたが、それも含めてとても実りある、まったくもってたのしい一年でした。

こころから、ありがとうございました。



「 「 「 「 「


ありがとう



わたしに ありがとう といわないで。

きみの心臓が 脈を打っていても

そうやって きみの人生の顔かたちをつくっていても

きみは 別に ありがとう とは いわないだろ。


でも ぼくのほうは きみに ありがとう といいたい。

きみの おかげの 大きさを わたしが 知らないとでも 思うのかい。


その ありがとう が わたしの 歌なのだよ。



リッツォス詩集『括弧』(中井久夫訳/みすず書房)


」 」 」 」 」


この詩を読んでいたら、たくさんの人たちの顔が浮かんで、なかにはもう会えない人もいて、はらはら涙がこぼれました。


その「ありがとう」が、わたしの作るものであったらと。



どうぞよいお年を!



追伸 雉虎たちと仲良くはなれなかったけど、なんとなく気をゆるされた風情です

2010年12月24日金曜日

New Year Greetings 2011






活版、グラフィックデザイン、写真、イラストレーション、版画、製本、カリグラフィー……

さまざまな分野で活動している方々から送っていただいた年賀状を展示します。それぞれの思いで作られた年賀状の一枚一枚を、見て触って、お楽しみください。


赤井都 / 浅井陽子 / あちらべ / atsumi / Anna Gleeson / あべちほ / 阿部真弓 / イイダ傘店 / 伊香英恵(A.A.E.textiles)/ 石曽根昭仁 / 伊藤絵里子 /稲垣早苗 / 井上沙紀 / 井上陽子 /イマジョウデザイン/ 入澤花絵 / 岩瀬敬美/ UZ DESIGN FACTORY / 大浦美和 / 大塩あゆ美 / 大沼ショージ / 尾形かなみ/ 小熊千佳子 / 尾田美樹 / 尾柳佳枝 / 海岸印刷 / 角田光正 / 株式会社 真映社 / 蒲田美佐子 / 亀井研二 / KAYU / 川口伊代 / 川島康太郎 / 川島雄太郎 /川手眞理 / 川部重臣 / 神田亜美 / 菊地和広(バックヤード)/ 北村範史 / 九ポ堂 /guse ars/ 熊谷聖司 / Kumiko Hitomi[HI company Ltd.] / 小関祥子 /Kotoko KANETA / コトホギデザイン 池上直樹 / 小林和人(Roundabout/OUTBOUND)/ ごぼうデザイン事務所 / 坂本千明 / 佐藤未南子 /佐藤礼子(リュース オ ボウ)/ 三戸美奈子 / 島谷美紗子 / しゅんしゅん /菅原広夢 / STORE / 瀬戸直 / 武井実子 / 巽紀子 /charmy(小池雅美)/ 創る和紙職人ハタノワタル / 都筑晶絵 / Zwillinge / ツバメ活版堂 / 富田惠子 /トランクデザイン 堀内康広 / 内藤雅光 / 中澤季絵 / 長沢暁 / 中田真央 / 中村綾緒 / 西本良太・葉田いづみ / 二宮郁子 /knoten/ 芳賀八恵 / ハナブサプレス 両見英世 / fancomi / FALL・三品輝起 / 福室みずほ/ ふじくらみほ / 史緒 / フルタヨウコ / 文京れんげ社(宇佐美智子/大木陽子)/

BEKA / 宝珠光寿 / 星幸恵 / 本の島 絵はがき部 / 正成美雪 / 益永梢子 / 松永かの / 松本亜季 / 丸山佐知子(Blackchrom)/ 萬田康文(Monday Books)/みやしたゆみ / 宮島信太郎 / 村橋貴博 / megropress / 百田智行 / 森岡書店/ 森田千晶 / 森雅代 / 山下桂樹(CATALYZE DESIGN)/ 山田理加 / 山之口正和/ 山元伸子(ヒロイヨミ社)/ 有限会社コスモテック / 吉田昌平 / 米谷明香 /龍骨堂 伊東久美 / Little Hello / リン版画工房 / LUFTKATZE / 和田祐子 /and more......


2011年1月8日(土)〜1月15日(土) 

12時〜19時 最終日は18時まで

会場=ギャラリーみずのそら 

〒167-0042 東京都杉並区西荻北5-25-2 

Tel/Fax:03-3390-7590 http://www.mizunosora.com

1月9日、10日に都筑晶絵による製本ワークショップがあります。

詳しくはHPをご覧下さい。


+ + + + +


DMでは会期が15日(日)までになっていますが、大まちがいです! たいへん失礼しました!! 展示は、1月15日の土曜日できっぱり終了しますので、どうぞおまちがえのないように、気をつけてくださいね。


いよいよクリスマスイブということで、あせりとウキウキがまざりあってまるで高速でスキップしているような精神状態なのですが、なんとか気持ちを落ち着かせて、いよいよヒロイヨミ社の年賀状を印刷するつもりです。それから「本の島絵はがき部」としても参加しますので、どうぞよろしくお願いします。


anna gleesonの「Giant Earrings」展にお越しいただいたみなさま、楽しんでいただけましたか? アナは楽しかったようですが。tokyo mother(せめて姉にして…)より、アナになりかわりましてあらためてお礼申しあげます。どうもありがとうございました!



追伸 元有志会員なので、「アブラクサスの祭」は見なければ!と

2010年12月9日木曜日

Giant Earrings展、開催中です





anna gleesonによるGiant Earrings展、西荻窪STOREにて開催中です。

展示は12日(日)までです。ぜひ足をお運びください。もしアナに会ったら、ぜひgenki?と話しかけてみてくださいね。


追伸 きのう教えたニホンゴ=むさくるしい 



2010年11月24日水曜日

名著百選





ブックファースト新宿店2周年を記念したフェア「名著百選」に参加させていただきました。これは、作家、写真家、編集者、デザイナー、芸能人など、この2年間にブックファースト新宿店と関わったさまざまな分野の方々が、じぶんにとっての名著を紹介する、というもの。わたしは昨年のリトルプレスフェアでお世話になり、声をかけていただきました。

見にいってみたら、えっ、このひとがこの本を?という驚きもあったりして(たとえば星野智幸さんが東ちづるの本を?とか…)、おもしろかったです。

フェア本を購入した希望者のかたには、紹介されたすべての本とコメントが掲載されたリーフレットがもらえます。参加したので冊子ください……とはちょっと気恥ずかしくていえなかったので、福永信さんおすすめの『クレムリン 1』、立ち読みしてたらぶふふふと怪しく笑ってしまったのですが、これを購入して冊子をもらって帰ってきました。

それからきょう買ったのはもう一冊、リトルプレスコーナーにて『猫の世界』(黒猫堂出版)。木版画の漫画です(写真)。手にとった瞬間はちょっと興奮して血圧が一瞬あがったみたいでしたが、読んでいるうちしーんとしてきました。モノクロームの詩情あふるる世界に、ふかぶかと魅了されました。これぞ名著……。


さて、New Year Greetings展のことですが、DM作成のためいったん募集を締め切りましたが、じつはまだまだ参加者を募っておりますので、どうぞよろしくお願いします。



追伸 アコースティックギターを預かりました

うれしくて、こっそり爪弾いてみたりして

2010年11月18日木曜日

New Year Greetings 2011 参加者募集中です


年賀状展、来年も開催します!

現在参加してくださる方を募集中です。


今年は1/8〜1/17の日程で行い、ご参加の方、ご来場の方からご好評を頂きました。(今年ご参加くださった方々には、重ねてお礼申し上げます。)そこで、この企画を毎年恒例のイベントにして、ご参加の皆様、ご来場の皆様の交流の場となるよう、また、新たな年の始まりに創作活動の刺激となるように盛り上げていきたいと思い、来年も開催することといたしました。


昨年同様、活版、デザイン、写真、イラスト、版画、製本……さまざまなジャンルで独自の活動をされている方々の年賀状の展示です。新たにお声を掛けさせていただいた方も含め、100名を超える作家の方々の、2011年最初の作品展として、皆様に楽しんでいただける企画にしたいと意気込んでおります。


New Year Greetings展

2011年1月8日(土)〜1月15日(土)

会場=ギャラリーみずのそら

〒167-0042 東京都杉並区西荻北5-25-2

http://www.mizunosora.com/

企画・会場構成 ananas press(山元伸子+都筑晶絵)/CATALYZE DESIGN(山下桂樹)/ギャラリーみずのそら


裏表の絵柄、デザインだけでなく、紙の感触、切手へのこだわりをお持ちの方の作品も、そのこだわりごと見に入らした方に伝えたいと思い、手にとって見られる展示方法にしたいと思っております。ご住所を公開したくない方につきましては、テープで隠すなどの対応をいたしますので、宛名面にその旨ご記入ください。


以上ご検討のうえ、ご参加いただける場合は1月6日(木)必着で、「ギャラリーみずのそら 年賀状展」宛てとご明記頂き、

年賀状をお送りいただけますよう、お願いいたします。配達が遅れる場合もありますので、恐れ入りますが、年内の投函をお願いいたします。


ご協力のほど何卒よろしくお願いいたします。

参加してくださる方、急でおそれいりますが11月21日(日)までに、こちら(yamamoto-no@globe.ocn.ne.jp)にご一報いただけますよう、お願いもうしあげます。



追伸 コスモテックさん、告知ありがとうございます

2010年11月15日月曜日

Giant Earrings





友人のアーティスト、anna gleesonさんの展示のDMをデザインしました。(アナさんは、ananas pressの『colour ful/カラ フル』のイラストを描いてくれた人です。いまはいっしょにブログもやっています。)

展示のタイトルは「Giant Earrings」 、紙でできた愛らしい巨大イヤリングのかずかず、ぜひ見にいらしていただけたら幸いです。着けてみたりもできるかもしれません。


anna gleeson exhibition

Giant Earrings

日時 2010年12月3日(金)〜12月12日(日)11時〜19時

会場 STORE(杉並区西荻北5-7-19、西荻窪駅より徒歩約7分)


この展示に合わせて、地域密着型アートプロジェクトTERATOTERAによる3部構成のトークイベントが開催されます。アナさんのトークは12月4日(土)、テーマは「町をみる〜観」。これまで、シドニー、ベルリン、ニューヨーク、東京、香港、といろんな町に暮らし、映像、製本、ペーパーメイキングなどを学んだあと、自由に本を作ったり絵を描いたりしているアナさん。その発想のおもしろさと目の付けどころのユニークさときたら……いっぺんあたまと目玉を取り替えてみたいほどです。散歩で道に迷うのが好きな彼女のことだから、きっと町歩きからたくさんのインスピレーションを得てきたはず。といったところで、どんな話になるのか、まったく予測はつきません。だからこそ楽しみ。


ぜひ、足をお運びいただけたらと思います。トークのあとにはテラッコによるラウンジが開催されます。会場でお待ちしています!



追伸 毎年11月には頸に葱を巻きます ぶつ切りのやつをあぶって… 

2010年11月10日水曜日

栞は旅人





ある日、フランスから不思議なはがきが届きました。

言葉はひとこと金色のペンで「Bonjour!」、裏にはモノクロフィルムをコンタクトプリントした写真があって、でもどこの写真なのか判然としません。どこまでもまっすぐに続く道や、洞窟や、岩壁や。


もしSHIORI PROJECTのホームページアドレスが印刷されてなければ、なんのこっちゃと首をかしげるのみだったと思います。


さて、はるばる海をこえてやってきたこの栞、どこに挟もうかなあ、と考えたすえに手にした本のページには、こんな言葉が記されていました。


 矢車菊の苦い根を土の側から噛んで

 水色の空に散る星々を土の中から見つめる

 知識もなく知性もない

 あるのは心のゆれ

 どんなに追い払っても逃げない記憶という小動物


 管啓次郎『Agend'Ars  アジャンダルス』(左右社)


管さんの本を読んでいると、今すぐ家を飛び出してまだ見ぬなにかやだれかに出会いたい、そんな衝動と、まだまだ、もっともっとたくさんの本を読まなければ、という焦燥に引き裂かれます。



追伸 四十前 秋の麦酒は 命取り

2010年10月28日木曜日

電車の時間





からだの中に、辻征夫さんの詩をいくつもしまいこんだ小さな箱があります。詩はたまにそこからひょっと出てきて、たいていそれは外出先でのことなので、帰ってきて本を開いて、答えあわせのように拾い読みします。


これは京成押上線にのって先輩の住む町、立石に向かう途中で思い出した詩。地上に出たり川を渡ったり、空は澄んで明るくて、ああなんて気持ちのよい電車の旅よ、とうっとりしていたら、辻さんの「東武伊勢崎線歌」がひょっこりと。次々に通りすぎていく駅の名前や窓の外の景色や思い出や思いつきや呟きやぼやきやまぼろしやあれやこれや、ようするに目に映るもの頭に浮かんだこと、そのすべてが、境目が見えないくらいまろやかにまざりあって流れていく、そんな詩です。はじめて読んだときには、どうして電車に乗るとひたすらぼんやりしてしまうのか、そしてそういう時間がとても好きなのか、その答えがここにあるなあと思いました。



 あさくさ


 なりひらばし


 ひきふね


  (中略)


 昨日少年の谷中の

 もうひとりの先生と歩いた浅草 墨堤あたり

 このあたりでうろついてしまった半世紀

 本所緑町で生まれたと思っていたが

 先日戸籍謄本のあたまのごちゃごちゃを読んだら浅草で生まれたと書いて  あった

 (昔から書いてあったにちがいないがあんなものだれが読むものか)

 いったいどこの

 生まれなのだろう

 どこでも

 いいひきふね


     「東武伊勢崎線歌」より(『萌えいづる若葉に対峙して』所収/思潮社)



東武伊勢崎線と京成押上線に共通するのは、「中央から離れてゆくやすらぎ」でしょうか。秋の終り、立石で冷えすぎたビールを飲んだら、また鼻風邪をひきました。


(写真は復元された明治時代の活字を使って刷ったもの。活字についてくわしくはこちらに)



追伸 行  く  秋  や  眠  る  男  の  あ  た  た  か  き

2010年10月16日土曜日

くるおしい日々





香港の街をうろついたり本屋さんに行ったり、巽さん正成さんの展示をみたり、「工房からの風」を感じていたりしたら、家にどんどんすてきなものが集まってしまいました。なんだかもう……くるおしいほどです。


「工房からの風」では、ただ物を見るだけでなく、その見せ方や包み方、作り手の方々のたたずまい、さらには持ちものとか着てるものとかもなんだかいい感じなので気になったりして、見どころがとても多く、くらくらするくらい楽しみました。作品を見て人を見て言葉を交わしてファンになって、どんどん心が活気づいてきた気がします。このいきおいを、本作りにぜひ生かしたいところです。きっと、生きると思います。

なんといってもいちばん印象的だったのは初雪・ポッケのお二人。初雪が降った日の気持ちをいつもポケットに入れて物づくりを、という名前の由来に、それはあまりにオトメチックすぎるのでは、とキャーと思いながらも、メロメロです……。


写真は現在早稲田のCAT'S CRADLEにて開催中の巽紀子さんの展示「すきまにおじゃまします」で買ったもの。真ん中におじゃまされました。巽さんとは会って二度目にしてゲバラなカフェで猫をゴロゴロいわせつつラムを片手にキューバの葉巻をまわしのみした仲です。……運命?




京都精華大学が発行するフリーペーパー『セイカノート』最新号で、『ヒロイヨミ』を紹介していただきました。どうもありがとうございました。こちらの冊子は京都、大阪を中心にカフェやギャラリーに置いてあるそうです。



追伸 香港のchen mi jiさんが作った張愛玲のスケッチ集、恵文社一乗寺店で発売中です。

2010年10月3日日曜日

紙漉きの旅





girls ZINE 女子のためのジン案内』(ビー・エヌ・エヌ新社刊)に、ananas pressの『colour full/カラ フル』とヒロイヨミ社の「ヒロイヨミ」を掲載していただきました。本屋さんで見かけたときは、ぜひ手にとって、見ていただけたら。


きのうは活版カレッジ主催の紙漉きツアーに行ってきました。紙が植物でできていること、木からのいただきものであることを、あたまでなくてからだで理解することができた、おおきな体験でした。やわらかな和紙に触れていると気持ちがしずまる、それは、気のせいでなくて、木の精……。

みなさん休憩をとるのも忘れて夢中で作業していて、その熱気に当てられたのか、はたまた長時間の電車移動のせいか、家に着いたらくったくた!で顔も洗わずに倒れこむようにして寝ました。


追伸 よこしまくんの口元がよこしま? 

2010年9月16日木曜日

信号機という木





まだちょっと先の話ですが、来年の1月に、銅版画家の森雅代さんと二人展をやります。テーマは「冬の木」、森岡書店で開催予定です。森さんは版画を、わたしは言葉を展示する予定です。本(冊子)も作る予定でいます。

森さんとは同じ本屋さんでアルバイトをしていた10数年前からのつきあいで、たくさんの本と映画と音楽を共有してきました。そうだ、(矢野)アッコちゃんを好きになったのも、森さんの影響ではなかったでしょうか。


というわけで今は、この展示のための言葉を集めているところなのですが、あんまり血眼になって探すのもあさましい、拾い読みの神様にきらわれそう……なので、目あての本まっしぐらでなく、あえてふらふらと図書館の書庫という森の中をさまよい歩いていたら、こんな木に出会い、目を奪われてしまいました。どこまでもまっすぐで、飾り気のない言葉が連なります。読み終えて、気がついたら手渡されていた、とても重たくうつくしいもの。抱きかかえたまま、その場から動けなくなりました。



 信号機という木


 小野十三郎

 


 見知らぬ

 ビル街の谷間を

 まっすぐに道がながれてきます。

 あなたはもうこの世にいらっしゃらないが

 わたしには

 まだ行く道があるんです。

 車はときどき停止しても

 道はつづいています。

 きょうは渋滞する通りを避けて

 走っているのは

 倉庫などがあるちょっとさびしいところです。

 だが、あなたがいられるところよりも

 外景は少しは明るいでしょう。

 早春の樹木の影を入れて

 悼み歌を一つ作ろうとおもいましたが

 このあたりには

 街路樹もありません。

 ただ道がベルトになって

 どこまでもどこまでもながれてくるだけです。

 行手の信号機が

 青から黄になり赤になって

 二重タイヤの大トラックが

 前を横ぎっていきました。

 わたしが、いま

 いる場所です。


 『樹木たち』(土曜美術社出版販売)所収


  +   +   +   +   +


森岡書店にて、ananas pressの『Scribble』『colour full』『Science Nonfiction』、ヒロイヨミ社の『ヒロイヨミ 珈琲礼讃』『TRACES  痕跡』発売中です。どうぞよろしくお願いします。



追伸 「和紙のひろがり」のウェブサイトができたそうです

2010年8月30日月曜日

テーブルの独言





ふとテーブルを見たら、ことばが散らばっていました。新聞や雑誌などから切り抜かれたものです。同居人が脅迫状でもつくっていたんでしょうか。さっそく『水の空』みたいに、あれこれやってみました。

……できました。


おやっ世界 いえ言葉


装苑」の「Good Book」のコーナーで、ananas pressを紹介していただきました。インタビューと写真はユトレヒトの江口さん。どうもありがとうございました。新しい本『Scribble』の取り扱い店などは、決まりしだいHPでもお知らせしますので、またよろしくお願いいたします。 


ananas pressの表立った活動はしばらくありませんが、山口信博さんの展覧会で都筑さんが作った箱が見られます! くわしくはこちらに。わたしは、知らない製本家の作品として、こころ平らかに見てみたい気持ちなので、本人がいないときを狙って(?)こっそり行くつもりでいます。

山口さんのこれまでのお仕事がまとまって見られるのもとても楽しみ、10年前、表紙のデザインにハッとさせられ、なかば興奮しつつ購入した「SD」の北園克衛特集は、ずっと大切な一冊ですから。



追伸 絵ごころがないのに絵はがき部員になりました…

2010年8月24日火曜日

石の時間





鉱物Barへいってきました。 


企画されたフジイキョウコさんの、鉱物への愛と情熱とアソビゴコロの結晶ともいえる展示空間と、うつくしい「標本箱」の数々。これまで鉱物に興味を持ったことなどまるでなかったのに、不思議の国に迷いこんで魔法にかけられてしまったみたいに、帰ってからも鉱物のことがあたまから離れず、とりあえずなにか石に関する文章を拾い読みしよう、と澁澤龍彦「石の夢」(『胡桃の中の世界』河出文庫)をむさぼり読む。そのなかで「長崎の魚石」という古い話のことを知り、本棚から『日本の昔話』(柳田国男著・新潮文庫)を見つけ出して読み、さらにふと思い出して蜂飼耳さんの『空を引き寄せる石』(白水社)を。飛石をひょいひょい伝い歩くように本から本へ移っていって、そこでまたさまざまな石を知りました。突如「有り難い石」に変身させられた石、見出されて愛される石、いつしか表裏を与えられてしまった石。……


「硬い時間を重ねていく。そのことに引かれる。何十年、何百年後、一度は文鎮だった石たちが河原や野原に転がり、陽を浴びているところを想像するのは心愉しい。」(「空を引き寄せる石」)


重なっていく「硬い時間」を想像してみる。まだ人がいない過去のこと、人がいなくなった未来のこと、そして、そこにある(あった)はずの石のこと。そんなことを思いながらあかりを消して、でもしばらくは眠れませんでした。あたまの中のひっそりとした世界とは裏腹に、ツヅレサセコオロギの夜の音楽がにぎやかすぎたせいだと思います。


写真右は長沢暁さんの作品に螢石、左は昔のゼリー型に巻貝化石。いずれも鉱物Barで購入しました。



追伸 山から島が見えました。鳥海山にて

2010年8月12日木曜日

ちゃらっぽけ





出久根達郎さんの新刊『新懐旧国語辞典』(河出書房新社刊)のデザインをしました。装画は羅久井ハナさん。どうもありがとうございました!



帯の背には、「ちゃらっぽけ」とあります。ちゃらっぽけ、ちゃらっぽけ……と唱えていたら、なぜだかトニー谷の顔がふあーんと浮かんできました。いまにもざんすざんすと歌い出しそう……。一度耳にしたら忘れられない、おもしろい響きのことばです。と思っていたら、つい先日、幸田文さんの随筆を読んでいてこのことばにゆきあたり、あっといいそうになりました。最近こういうことがやたらと多いです。「ちゃらっぽけ」、意味を知りたいかたは、ぜひ本書をお読みいただけたら。



追伸 おとなりから、まいにち花笠音頭が聞こえてきます

2010年8月3日火曜日

ananas press website





ananas pressのウェブサイトができました!

手書き文字は主にaが担当しております。どうぞよろしくお願いします。

 

THE TOKYO ART BOOK FAIR 2010、あっという間に(というか、始まりました、という間もなく)終了しました。たくさんの人たちに作った本を見てもらえて、話したり笑ったり、とても刺激的でおもしろい3日間でした。どうもありがとうございました!

写真はキャプションを書くanna gleesonさんです。


新しい本、『Scribble』のことは、またあらためて。

追伸 アナちゃん香港に帰りました エチエンヌのためにVironのバゲットとクロワッサンを買って 

2010年7月27日火曜日

終了しました





「旅の栞 vol.2」、きのうで終了しました。

この暑いなか、足をお運びくださったみなさま。どうもありがとうございました! ノートを見てみるとお会いできなかったかたも多くて、うーん残念です。……また!


追伸 ヒダリヨッタロウ先生 メッセージ アリガトウゴザイマス (ヤマゲン)

2010年7月24日土曜日

紙縒と栞





THE TOKYO ART BOOK FAIR 2010も来週に迫ってきました。

新作『Scribble』もまもなくできあがります。

製本家が白魚のような指で、本を綴じるためのコヨリをヨリヨリしています。わたしも試しに一本縒ってみましたが、これは使えない、とあえなく一笑に付されました。ボコボコしていない、なめらかなコヨリを作るには、やはりプロの技術がいるみたい。ぜひそのあたりも注目していただけたらと。

写真は刷り上がった頁を組んでいくために一面に広げたようすです。今回は今まででいちばんページ数が多いのです。

ブックフェア、ananas pressの紹介ページはこちら。写真は『水の空』から。


「旅の栞 vol.2」は、来週の月曜日まで開催中です。日曜日は6時まで、最終日は9時までになります。

ひきつづき、どうぞよろしくお願いします。


追伸 ビールの空き缶をすすぐ毎日であります



2010年7月22日木曜日

古い書物を読むということは





「古い書物を読むということは、それが書かれた日から現在までに経過したすべての時間を読むようなものである。」(ホルヘ・ルイス・ボルヘス「書物」)


「旅の栞」展のために作った栞「Traces 痕跡」は、古書に残されていた、だれかのサインや書き込みを印刷して、栞にしたものです。本が、人から人にわたっていって読みつがれていく不思議、その本のみが知るひそやかな物語に、すこしでもふれられたなら、と思いながら、作っていました。

それから、ある時期にとても親しくつきあったのに、今はもう手もとにはない本たちの行方にも、思いをはせながら。かつて本棚の一角を橙色に染めていた、新潮文庫の三島由紀夫、あれらは今、いったい何処に? 暗くつらい時期に溺れるようにしてのめりこんだ反動からか、あるいは、卒業論文で苦しめられた(自分で選んだくせに)恨みからなのか、あるとき、もう三島由紀夫なんか読まない、と強い気持ちで、すべての三島本を古書店に売りはらってしまいました。でも、最近、本屋さんで金ピカのカバーがかかった『金閣寺』を見るにつけ、あの、白地に大きな題字と著者名のみの、見る者に緊張を強いるほどに潔く美しいカバーが、とても慕わしく思えてきます。あのオレンジの一群が、それぞれに、どこかの家のだれかの本棚で、しあわせに生きつづけていますように。

ボルヘスの引用は『ボルヘス、オラル』(木村榮一訳、書肆風の薔薇/水声社)より。一年以上まえから、すこしづつ、ゆっくりと読んでいる、今福龍太さんの『身体としての書物』(東京外国語大学出版会)で知りました。


今年5月の活版凸凹フェスタで「ヒロイヨミ」を買ってくださった大塩あゆ美さんが、Walker's Cafe(Cultural Typhoon 2010)のフード・コーディネートをされていたことから、管啓次郎さんに「ヒロイヨミ」のことを知ってもらえました。こんなふうに紹介してもらえて、ちょっとなんだかことばも出ません。管さん、大塩さん、どうもありがとうございます。と、こんど会えたら伝えたいです。



追伸 島の冊子はあのひとに見てもらいたかったけど、気おくれして見せられなかった。おろかなことでした

2010年7月13日火曜日

明日からです





「旅の栞 vol.2」、明日からはじまります。

フサフサなのから艶っぽいのから、アッとおどろくすてきな栞に出会えます、きっと。

古本部門もどうぞおたのしみに!


つぎはananas pressの『Scribble』づくりで、まだしばらく走りつづけます。「なんとかなるさ あせってもしょうがない」の歌(自作)を歌いながら、製本家にぺこぺこしながら、入稿準備にはげんでいます。



追伸 8月になったら、まわりの顰蹙を買うぐらい遊びほうけてやるー

2010年7月7日水曜日

7月7日、雨




ananas pressの新作、もっか制作中です。ドローイング集とでもいいましょうか。タイトルは『Scribble』です。

7月30日から3日間にわたって開催されるTHE TOKYO ART BOOK FAIR 2010で販売の予定です。ブックフェアにはanna gleesonさんも香港から出展予定です。


☆ananas pressのウェブサイトも、完成間近です。グラフィック/ウェブデザイナーの石曽根昭仁さんにお願いしています。なんだか素敵なのができそうです。本づくりもますますがんばらないとです。


☆旅の栞 vol.2展も、来週14日からはじまります。おかしな栞を作っています。夏の印刷は、ちょっとしたスポーツのようで、終わったあとのビールがおいしいです。などと、のんきなことをいってる場合でなく、作業はギリギリまでかかりそうです。小心者なので、きょうもドキドキしてよく眠れそうにありません。あっ、ワールドカップが観られていいか。


☆栞展、会場のカフェCat's Cradleの目の前には、ガ、ガウディ?!なマンションもありますので、お越しの際はどうぞお見のがしなく……。ドラード早稲田っていうそうです。


☆『久生十蘭ジュラネスク 珠玉傑作集』(河出文庫・6月刊)の表紙に、山羊の木の「漂流の記憶」を使わせていただきました。活版のつながりが、活版以外のところにも、ひそやかに及んでいきつつあります。まるで地下組織が暗躍するように……。とはいいながら、いまやそんなに日陰者でもないんでしょうか、活版を愛する人って。わたしは日陰のほうがいいなあー、落ちつくし。


☆「本の島」ABC本店の担当・t島さんの記事がアップされました。ぜひご一読ください。店頭には冊子『本の島へ』もありますので、ぜひ手にとってお読みいただけたら。読むときっと、「本の島」の棚の本、ゴッソリ買いこみたくなるので、気をつけたほうがよいです。や、気をつけないほうがよいです。やっぱり本は買わないと!(読めなくても)



追伸 七夕らしく、お星さまキラキラで

2010年6月25日金曜日

旅の栞 vol.2





グループ展「旅の栞 vol.2」のお知らせはがきができました。

デザインされたのは、しまりすデザインセンターの石松あやさん。一部分が活版で印刷してありますので、手に取られたかたは、ぜひようく見てみてください。


7月14日から26日まで(19日、20日は休み)、早稲田のCat's Cradleにて。旅へと誘う古本と、活版印刷による栞を展示販売いたします。


古本市プロデュース=travel books &coffee 「Cat's Cradle」+古本ユニット「ricca

活版アートによる栞=阿部真弓/石松あや(しまりすデザインセンター)/Q'ra(きゅら)/栃木香織/山元伸子(ヒロイヨミ社)


参加者が〈旅〉や〈本〉をめぐって書いたエッセイと、出品する古本の紹介を掲載したフリーペーパーも作成中です。こちらも、今にもはじけそうな旅ごころに満ちていて、読むとただちにどこかへいきたくなるかもしれません。


わたしは、このあいだの関西旅行について書きました。

どうして大阪や京都にいると、あんなに気分がはればれのびのびするのだろう、と考えてみましたが、それはやっぱり、(もちろん旅先ゆえの解放感というのもあるにちがいないけれど)山と川がいつもそばにあるから、なのだろうなあと思います。



追伸 というわけで、今朝は「京都慕情」(ウクレレ弾きがたり)で同居人を起こしてみました